婦人と思想

婦人と思想

 行うということ働くということは器械的である。従属的である。それ自身に価値を有《も》っていない事である。 神経の下等中枢で用の足る事である。わたしは人において最も貴いものは想うこと考えることであると信じている。 想うことは最も自由であり、また最も楽しい事である。また最も賢《かしこ》く優れた事である。 想うという能力に由《よ》って人は理解もし、設計もし、創造もし、批判もし、反省もし、統一もする。 想うて行えばこそ初めて行うこと働くことに意義や価値が生ずるのである。...

文化学院の設立について

文化学院の設立について

私は近く今年の四月から、女子教育に対して、友人と共にみずから一つの実行に当ろうと決心しました。 これは申すまでもなく、私にとって余りに突発的なことであり、また余りに大胆なことでもありますが、 しかし私には、従来の私の生活と同じく極めて真剣な事業であって、短時日の間ながら、 十分慎重に、考えられるだけのことは考えて決心したつもりです。 軽率な思立ちでないということだけは断言が出来ます。 私はこの事の経過を簡単に書き、また私たちがこの事業に対する計画の摘要をも添えて置こうと思います。        *...